目指せ海外進出!Monacaアプリを多言語化する方法まとめ

こんにちは、しばです。
この間、Monacaアプリで海外展開(多言語化)をやってみました。
その記事でも少し触れましたが、多言語対応するために調べた内容や実際に行った方法をまとめていきたいと思います。

ちなみにアプリ名の多言語化は無料プランだと難しかったため今回諦めました。ご了承の上ご覧ください。
次はリベンジしたい…!

展開する言語

海外展開を考える場合、まず展開する言語を決めていきます。

前提として、アプリの海外展開は国単位ではなく言語圏単位で考えていくと良いようです。
というのも、AppStoreもGooglePlayストアも、ユーザが設定している言語住んでいる地域等から表示言語を識別しており、申請時に翻訳を追加するのも言語単位になるためです。

実際に展開する言語の決め方ですが、私は

こちらの記事やその他諸々参考にさせていただき、以下の優先順位で多言語化することに決めました。

順位 言語 ターゲットの国(例)
1 英語 イギリス・アメリカ・インド・インドネシア・マレーシア・シンガポール他
2 中国語(簡体字) 中国
3 スペイン語 スペイン・メキシコ・アルゼンチン
4 ポルトガル語 ポルトガル・ブラジル・ルクセンブルク・アンゴラ
5 ドイツ語 ドイツ・オーストリア・リヒテンシュタイン・ルクセンブルク
6 フランス語 ベルギー・スイス・モナコ・カナダ
7 ロシア語  ロシアとか
8 中国語(繁体字) 香港、台湾、シンガポール
9 韓国語 韓国

*ヒンドゥー語、アラビア語→ネイティブ人口は多いが、言語を扱う難易度が高そうなので見送り
*中国語(繁体字)、韓国語→海外展開の記事で、なぜかDLされやすい的なことを聞いたので追加

しかし、初心者のうちは一気に多言語展開を狙わない方が良いらしい。
前述の記事を書かれたうめのんさんは、後日こんなことを書かれています。

アプリをアップデートするたびにすべての言語も新しく翻訳しないといけないのが死ぬほど面倒

そして、これが一番決定的な理由なんだけど、アプリをひとつの言語に翻訳した場合、あとからコストとメリットが合わないわと思っても元に戻しにくいってところです。これが痛い。本当に痛い。

引用)アプリを一気に多言語へ翻訳・ローカライズしたのを若干後悔してる

また調べていると、海外展開は単純に翻訳だけでなく、ターゲットの文化や市場調査を行った上でその地域に最適になるようローカライズするのが理想という話も。
そういう意味でも、一気に展開するんじゃなく一つずつ手を加えるのが良いようです。

私は結局、比較的敷居が低く感じた英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の4ヶ国語から進めることにしました。
今後本格的にやるなら上記表の優先順に展開する予定です。

参考

  • アプリストアのローカライズでダウンロード数を獲得する方法 | Growth Hack Journal
  • これは参考になる!アプリの海外展開時に見ておきたいページまとめ。│AppリリースEnglish

ローカライズする箇所

次にローカライズが必要な箇所についてまとめていきます。

アプリ内

1. アプリ名

スマホホーム画面のアイコンしたに表示されるアプリケーション名です。
MonacaだとiOS/Androidアプリ設定 > 【アプリケーション情報】アプリケーション名 で設定できる箇所です。こちらをローカライズする方法は

こちらの記事が参考になりそうです。
主に書かれているのはオリジナルCordovaプラグインを使用する方法なので有料プラン向け

記事には「直接プロジェクトにHookスクリプトを配置することもできます」とあったので、Cordovaプラグインを追加しない方法で試行錯誤してみたんですが、どうもwww配下に置いたscriptをconfig.xmlから参照できず。。現段階では断念しました。
有料プランにしたら使ってみたいところ。

ちなみにローカライズから話がずれますが、iOSアプリの場合、各言語でのApple標準アプリ名(「Photos」、「Camera」、「Calendar」等)と重複したものは使えません。シンプルなアプリ名を考えている場合は注意する必要があります。
もれなくERROR ITMS-90129が発生します。しました(´Д` )

参考)標準アプリ名一覧

2. コンテンツ

アプリ内で表示する文章です。これはあらかじめ翻訳した文章を、言語設定別に出し分けるように仕込んでいく必要があります。
Monacaでは以下の記事が参考になりました。

私はAngular.jsユーザなのでi18nextのライブラリを使用。
コードは後者の記事をほぼまるっと使わせていただいています。

この方法は、あらかじめ用意した翻訳データを、javascriptのnavigator.languagesまたはnavigator.userLanguageで取得した値を元に切り替えてる仕組みになっています。
navigator.languagesまたはnavigator.userLanguageで取得できる設定は、デバイス別にそれぞれ以下の通りです。

  • PCの場合 → ブラウザの言語設定
  • iPhoneの場合 → 設定>一般>言語と地域>iPhoneの使用言語
  • Androidの場合 → 設定>言語と入力>言語

MonacaIDEプレビュー上でも言語表示テストができるのでなかなか便利。
取得できる値はものによって「en」や「en-US」とわかれるので、文字列の最初の二文字を取得するように書くと良さそうです!

3. 広告

海外展開するには広告も海外向けにしておきたいですよね。
海外向け広告を出すには、海外の広告案件に対応しているアドネットワークを利用します。

以前こちらの記事でMonacaで使える広告会社を調べたんですが、その中で私はAd Generationを利用しています。広告審査通過後、メールで海外向け広告配信を依頼すればOK。

ちなみに配信される案件の言語はどの設定を見て振り分けるんだ..?と疑問だったんですが、アドジェネの方によると、アドネットワークの事業者側で利用者のIPアドレスや端末の言語設定によって識別している場合が多いようです。

自分で特に何か設定する必要もなく、非常に簡単でした。

アプリストア

翻訳オンパレードです。
iTunesConnect、GooglePlayConsole共に、ストア掲載情報入力画面から言語を切り替えて入力していくことができます。

まず大事なのは、デフォルト(プライマリ)の言語を英語にしましょう
そうすると展開言語以外を設定しているユーザには英語表記で表示されるようになります。
(iTunesConnectだと「配信準備完了」ステータスの時しかデフォルト言語を変更できないので、「申請中」ステータスに入ってしまったらリリース後に変更してください。)

各アプリストアで翻訳が必要な項目は以下の通りです。

iOS

  • アプリ名
  • サブタイトル
  • キーワード
  • プロモーションテキスト
  • ディスクリプション
  • スクリーンショット
  • プロモーション動画

Android

  • タイトル
  • 簡単な説明
  • 詳しい説明
  • 画像および映像
    • スクリーンショット
    • 高解像度アイコン
    • ヘッダー画像
    • プロモーション画像
    • テレビバナー
    • Daydream の 360 度立体画像
    • プロモーション動画

なお、iTunesConnectなら「価格および配信状況」の「配信可否」、GooglePlayConsoleなら「価格と販売 / 配布地域」から、利用可能な国を選択しておくのを忘れないようにしましょう。

翻訳方法

私は文章量が多くない&お試し目的の多言語化だったのでGoogle翻訳をメインで使いました。

  1. 日本語を自動翻訳しやすいようシンプルに整形してGoogle翻訳にかける
  2. 翻訳したい言語のストアの同ジャンルアプリをDLし、そこで使われている用語を参考にする(「効果音」「テーマ」とかのメニューレベル)
  3. 「翻訳おかしかったら教えてね!」とアプリ説明文に記載

ただそうでなければ、翻訳の精度はDL数に響くので基本的に自動翻訳は避けた方がいいようです。
有料サービスだと以下のようなサービスがありました。

どれも手軽・手頃な価格で納品期間も早そうなので、いつか使ってみたいところ。

まとめ

調べてみた&実際にやってみた感想としては、

  • 個人開発で海外からのDL数を狙うなら、仕様がおおよそ世界共通で老若男女問わないジャンルが良さそう
  • 文章量が多いアプリだと一気にコストと難易度があがる
  • アップデートの腰が重い(´Д`)

こんな感じです。

デザインや仕様においてターゲットの市場を調べてそれぞれ最適化、というのは非常に大変そうだなと思いました。時計だったり電卓だったり、世界的に共通化されているジャンルであればローカライズの手間は減らせるので、コストをかけられない個人開発であればそちらがいいのかなと。
ただその分競合が多いので埋もれるんですよね _:(´ཀ`」 ∠):

翻訳作業はたった4ヶ国語でしたが、なかなか大変でした。
ちょっとした文言の修正があれば都度4言語に翻訳しなきゃいけなかったり、説明文の一部だけ減らしたいor増やしたいというとき該当箇所が分からず丸々翻訳しなおしたりと、比較的難易度が低い言語を選んでもなかなか骨が折れる。。

これらを踏まえて、今後はついでの多言語化なら1・2言語程度、本格的な海外展開なら特定のジャンルを狙ってアプリ開発をするという方向がいいかなと考えています。

ちなみに実際に多言語化した電卓iPalは現在リリースして3週間。
今のところ、DL数の割合は日本5:アメリカ4:中国3くらいでした。
韓国ゥ…。翻訳見直そう…

ということで、Monacaアプリの多言語化対応まとめでした!